負傷した相棒 プリムスP153

プリムスP153 (通称:苺さん)

大切な相棒だ。

どんな時も大体持っていった。

頼れる道具だ。

未だ最高峰スペックでなかろうか。

 

もう12年は使い込んでる。

無くてはならない。

 

どんな趣味の道具も長く大切に使い込むほど味わいが増し魅力が増す。

長く使い込むのは自分自身、もってるだけじゃダメだ使い込むのが大切だ。

成熟には時間と愛情が必要。

ビンテージとは違うオーラを纏う。

コレクターには知る由もないだろう。

 

さぁ味わおう。

 

必要な物は多角的に比較分析し、惚れ込んだ一品に時間と金を集中し手に入れる。

そいつをとことん使い込み、その物のプロフェッショナルとなる。

野鋭具兵学校もその様に選ばれたいものです。

 

このバーナーはタフな優等生だが

10年超えて初めてトラブった。

プリムスでよく聞く、点火装置の火花が飛ばなくなるトラブル。

周囲では頻繁に聞くが、私は今まで無縁だった。

 愛情をもって直してやらねばならない。

 

まずは精密ドライバーで分解だ。

プラス#1でこのねじを外そう

外せばすぐに、つまみのバルブユニットが取れる。

ずいぶんとメンテナンスしていない、かなり汚れてる。

ビーズワックスの匂いまで出てきた。

あとは共締めになっていた点火ユニットを下へ引き抜く。

 

こんな調子ですぐに分解できた。

本番はこれからだ、点火装置を修理をしなければならない。

 

こいつを引っ張り出す。

上部の金属部を手前に引けばいい。

はい、取れた。

この点火装置はそこから、それぞれを引き抜けばここまで分解できる。

この時点で同時にやるべきは

どこまで遡れば火花(電気ショック)を感じれるか。

一番右の本体の黒い線、ここを触っても電気ショックは来ない。

 

ここから推測される原因は

・黒い線が中で断線している

・本体から全く電気が出ていない

 

つまり、さらに分解する必要がある。

打ち付ける側を取り外した。

これがハンマーです。

このハンマーを電圧素子に打ち付けて、圧電効果で電気エネルギーを発生させ、上部に見えていた座金と黒い線に電気を送り出しています。

ご覧の通りハンマーヘッドが汚れています、電圧素子が張り付いたのでしょうか、平ではなくなっています。

やるべきことは清掃と面を整える事です。

ハンマーも電圧素子も綿棒などをつかって清掃をしました。

ワイヤーブラシで軽く研磨もしました。

ワイヤーも綺麗にして、一旦組付け。

すると、銅線まで電気ショックが来るようになりました。

その先の電極は来ませんので、ちょっと近くのレンガで削ります。

削った後しっかりと組付けたら、なんと復活しました。

電極から電気ショックを感じます。

組立てついでにこの汚れをリセットさせましょう。

ワイヤーブラシと歯ブラシを使ってゴシゴシ行っときます。

普段のメンテは水にどぶ付けして、食器洗いの洗剤とスポンジでゴシゴシ洗っています。

気持ちがいいね。

ついでにつまみも分解清掃をしときましょう。

根元の6角を回してやればすぐに取れます。

ここは今まで一度も分解していないので、ねっとりと黒いです。

 

しっかりと拭き取りましょう。

パーツクリーナーがあるならぶちまけてしまいましょう。

余談ですが、パーツクリーナーはゴムに攻撃性があります。

Oリングも交換するべきですが、切れるまで交換しない性格です。

 

はいこんなにも綺麗になりました。

 

可愛い奴め!

十分に拭き取り、乾かした。

 

さて、点火。

あれ。

 

電気ショックは感じるけど、火花が飛ばない、

そう、弱くて飛ばない。

どうやら点火装置の寿命が確定したようです。

 

ライターで点火するから組み付けは異常なし。

 

そこでもう一度「バチッ」

おっ、火花飛んだ。

そして、また飛ばなくなった。

 

火がついたことにより暖まり電子の動きが活発になるからでしょう。

実用には値しない。

 

 

こうなったら点火装置を交換するしかない。

 

 

着火装置の本体だけが欲しいのに、ユニットでしか売ってない。

ふざけてやがる。

まぁ、仕方ない。

 

最安はやはりAmazon。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00969YF5W/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_ypozEbDE6QHK6 

到着まで待った。

新旧を並べてみよう。

上が旧品、下が新品

じっくりと観察しましたが、10年以上経過しても変更はないようです。

 

新しい点火装置に古い電極を付けて見たところ、しっかり電気飛びました。

本体のみが悪かったことが確定しました。

 

折角新しいので中身はすべて変更します。

点火装置のカバーは今まで苦楽を共にしてきた旧品をそのまま使用しました。

特に難しい作業ではありません。

気になったのは電極の先端が意味ありげに形作られている事だけでした。

コの字になっています。

私の予想では火花の指向性ではないかと予想して「コ」の凹面ををバーナー側に向けました。

その方がバーナー側へしっかりと火花を飛ばしてくれると思います。

 

何度やってもしっかり点火するように復活しました。

よし!お前はまだまだいける!!

俺が死ぬまで俺の山行を支え続けろ!

 

ただし、次。

もし点火装置が逝かれたら、ケースを改造して電子ライターの装置を移植できるように改造してやるから覚悟しとけ。

 

それでは皆さんの愛あるギア選びをと、味わいのあるメンテナンスを願います。

 

kentarou in the woods

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