古き良き幸福の黄色いテント 昭和のテントとツェルトの原型

って有名な映画もありますが、テントのお話です。

この映画見ました?

名作です。

 

ずいぶん昔に見ました。

定期的に見たくなる良映画です。

THE昭和中期を堪能できます。

今では聞かなくなった季節労働者を思い出されます。

 

高倉健もですが、武田鉄矢がかっこいい。

桃井かおるも全盛期

後に武田鉄矢が三枚おろしで語っていましたが、

この撮影で高倉健に飯を誘われて、

新米の武田鉄矢と桃井かおるはその場でつかみ合いの大喧嘩をしたと言う失敗談も語っておりました。

 

では今回のお話は

小川クラウンキャンプテント

昭和中期からやってきた黄色いテントの話題です。

イラストでよく描かれる実物です。

 

THE昭和のテント事情

 

 

これこそが一世を風靡した!

いや、当時はこんなもんしかなかった

小川の三角テント

通称:A テン(私達は当時そう呼んでいた)

 

 

このテントは懐かしい!

と言う人は昔から長らくアウトドアやってる人か、ボーイスカウトか、知ったかぶりでしょう。

ここ5.6年のキャンプブームから参入した方々はまず知らない時代のテントです。

私が小学生の頃までテントといえばAテン

もしくは鉄骨製ロッジ型とかミネルバでした。

 

この黄色の生地はビニロンという工業用の頑丈な合成繊維です。

そしてフレームレスの非自立式テントです。

 

言い換えれば現代の「ツェルト」のヘビーデューティー版です。

 

ゴッツイ布でできた重たいフロアレスのツェルトです。

 

今でこそ「ツェルト泊」とか「タープ泊」みたいな

僕いかにもすご芋りやってます!

みたいな風潮がありますが

 

昔から野営な人は「おま、何言ってんだ?」ってなもんでしょう。

だってこの時代の野営はこの三角テントとタープしかありませんでしたから。

今で言う「ツェルト泊」「タープ泊」は通常状態です。

ファミリーキャンプでさえそれが通常状態です。

私の幼少期も勿論これが普通でした。

 

日本で独自進化したツェルトの原型はおそらくこのAテン、Bテンだと思います。

 

Aテンを懐かしむ私はこの軽いAテンであるツェルトを好んで使います。

 

私、そこそこツェルトの布教活動に貢献したと思います。

ケンタロウさん発信でツェルトを知り使い始めたってコメントよくいただきます。

アルゴリズムもそこそこ散見されます。

 

そこで、ちょっとツェルト画面展

 

 

内容とシチュエーションによりますが、ツェルトは樹林帯最強クラス住具。

タープ持つならツェルト。

設営早さと重さに対する快適度に優れます。

森林限界でも使えるっちゃ使えますが、私が常日頃から言う「事あって物、矛盾なき手段と目的」

から逸脱します。

今度、私のツェルトセットアップ動画でも撮ろうと思います。

 

 

 

ビニロンの質感は帆布にかなり近いものがありますが、帆布とは異なります。

新品の帆布はコシがあってパキパキした感じですが、

ビニロンはそれに加えてテカリ感と、きめ細かさの中にゴワゴワ感があり、ビニロンのビニを少し感じれます。

素材特性は化学変化・熱に強く。強度・弾性率、耐候性、耐薬品性に優れるとされ

まさにアウトドア界のタフネスレトロ材。

吸湿性があり濡れた状態からアイロンを当てると糊付けした自衛官の戦闘服の様にパキパキになります。

 

難燃素材なので焚き火の火の粉にも強くアイロンも大丈夫

 

何を隠そう、このビニロンと私は長い間一緒に寝ていた経験がる。

そう、自衛隊のベットメイキングに使用されている白色のシーツ

あれは紛れもなくビニロンであった。

寝心地なんてあってないようなもの。

 

地上戦闘訓練で使用していたテン幕もビニロン

この写真は私が初めて地上戦闘訓練で幕張ったときの。

 

 

ボーイスカウトで使用していたテン幕もビニロンの三角テント

幼少期のキャンプで両親が使っていたもビニロン製の三角テントだった。

何とも腐れ縁である。

 

強いが重い。

故に長持ちする。

 

私はこのテントに強烈な思い出と古き良きキャンプの感覚が残っている。

 

現在、ファミリーアウトドア用に2張りも所有している。

何故2張りかと言うと、レストア作業が楽しかったから。

 

雨が降れば染み込むし、結露も発生する、強く張っても吸湿して弛んでくる。

フロアレスだから雨対策で前もって側溝を掘っておく必要もある

暑い日はサイドを肉まきにして風を通す必要がる。

虫も入ってくる。

天気が荒れれば怖い思いをする。

地盤が弱いとペグが抜けて倒壊する。

 

不便でやることが多い

しかし、これこそがキャンプであり、野外活動。

 

不便だからこそ持ち合わせている知識と発想と道具で最大限に工夫して快適にする。

 

不甲斐なかった経験は次の設営に活かされ、成功体験はスキルになった。

 

私はこのテントから多くのことを学んだ。

 

その学びは紛れもなく今の私の糧となって今も私の内部で生きている。

 

私の中の創意工夫ををして自分で何とかしようという行動の原点はこのテントなのだ。

 

この経験がなければ何でもやる前に人に聞き、ネットで何でも調べなければならない人間になっていただろう。

 

私はこの経験を自分の娘にも託して何かしらの糧にしてもらいたい。

だから我が家のテントは40年前に生産されたビニロン製の黄色の三角テントなのだ。

 

 

このテントはわざわざヤフオクで落札した。

最高に臭かったしファスナーは腐れ落ちて壊れていた。

レストアのために洗浄し、ファスナーをわざわざ現代の鉄製YKKに縫い直した。

このファスナーびっくりするほど高かった。

 

いざ復活してみれば古き良き素晴らしいアイテム

 

得たのは具ではなく 事。

いや、得た。

ではなく、これから得るのだよ

当時のあの時のあの光景が蘇る。

 誰が入り口側で寝て誰が奥で寝るのかの取り合い

 暑い日の支柱と屋根のパタパタ換気役

 グランドシートと肉巻きの縛り方

 虫の侵入対策のタバコ汁結界

 無くなるチーフリング

 踏まれる出入り

 焚き火の火の粉で溶ける天幕

 充満する足臭い匂い

 8×4脇シュー火炎放射

 燃える○ン毛

 

快適だったキャンプの思い出は残ってない。

このAテンの中で起きた不快なキャンプは鮮明に覚えてる。

思い出ってそんなもん。

 

ワザと意図的に不快なキャンプをしたわけではなく、当時はそれが普通で

それが楽しかった。

 

 

 

後に知った事。

「Aテン」はAの形をした三角屋根のテントだからAテンだと思ってた。

これは違った。

AテンとBテンと言うものが存在しており、私がボーイスカウトで使っていたのは紛れもなくA型テント。

そして、今私が所有しているのはB型テントなのである。

 

違いは土間があるかないか。

Aテンには靴や荷物を置く土間がある。

Bテンにはそれがなく所謂今のツェルトと同じ形。

 

正確に言うとボーイスカウト時代のはフライもあったからFA型テント。

つまり、フライA型テントなのだ。

 

実は当時の小川クラウンテントのカタログを持ってる。

そこには詳しく知らなかった型式も載っていた。

大変貴重なアウトドア資料だ。

 

考える力が身につくとても勉強になる古き良きテント

 

風が強い砂浜で付属ペグだけでこのテントを一人で立てれたら一丁前

当時、私の団のボーイスカウトは全員できてた。

ペグをペグとして固定観念通りに使ってちゃ一生立たないんだ。

 

何故ペグが抜けるのか抜ける原理を考え、

抜けないアプローチ思考して、

それを具現化するんだ。

 

そんな事をリアルに学び体験させてくれた思い出の教材

 ブームに翻弄される必要は無い

人の真似をする必要もない

人に憧れる必要もない

 

自分本位に謳歌せよ

Kentarou in the woods.

 

 

2 comments

  • たまたまyoutubeであなたの動画を見つけ、私も根が凝り性で偏屈で(「も」と言って良いんでしょうか(笑))、あまり流行や他人と馴染めない性質であったため、我が道を行くケンタロウさんには勇気付けられるというか、勝手に肯定される気分にもなっていました。
    文末で真似をする必要はないと仰いましたが、私はケンタロウさんに触発され、元々の趣味であった工作を発展させたり、人生最高額となる買い物であるmtbを迎え入れ色々遊んでみたりと、とても充実しています。他人の真似をし、憧れることも、時には良いことだと感じています。
    感情のまま書いてしまったためまとまりませんが、これからも応援しています!ぜひまた冒険の様子を見せて、聞かせてください!

    Thor
  • いつも楽しく拝見してます。
    私も小川のステイシーⅡを愛用してました。ソロには少し広いですが楽しいテントでした。今季よりツエルトにチャレンジしようと考え模索しているこの頃です。年齢もあり少しでも装備重量を減らせればと考え始めました。体力も維持とゆうよりアップしてる感じですがそろそろ下降が始まると思います(泣)
    ツエルトで設営撤収をサクサク出来るよう遊んでみたいです。併せてロープワークも覚えて遊んでみたいです。
    繰り返して身体で覚えるしか無いと考えてますので何か必殺のロープワークでもあれば勉強したいです。長々つらつらとすみませんでした。
    低山、渓流、mtbと相変わらずやってますのでこれからもよろしくお願いいたします。
    それでは、また!

    Black Starr

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