79式算盤火床と80式フォートリグの火の違い

79式と80式

両方とも同じ薪を同じ量入れて同じ時間が経過しています。

ベースコンセプトは同じだけど、これだけ火に違いが出ます。


80式は面構成囲型の焚き火台
炎の威力が強く常時高い温度で赤熱、
安定するとほとんど煙は出ず焼き切って炭素化させた黒鉛を時折出します。
目詰まりと言うものも無い。
その気になれば1.5m位の高い火柱まで立ち上げる。
素人でも一撃着火のスタートアップ。




79式はフレーム構成開放型焚き火台
ご存知の通り直火と同じスタンスに徹した火を出す。

私の処女作の79式をフレーム構成の開放型にしたのは
面で拘束した火ではなく直火の様な自由な火をもっと手軽に素早く軽く実用的に起こしたかったから。

では何故、面構成を製作しているのか。

面構成でしか出せない火と実用性があるから、という事と面白い物が作れそうと言う好奇心です。


そしてその面構成の強みを利用した焚き火台が存在しないので
只今、野鋭具兵学校は奮闘しております。

やはり軽く作ると言うのは考えるべき所が多岐にわたり
難しくやり甲斐があります。

軽くすると往々にして強度が落ちます。

強度の低下を補うためは構造変更もしくは母材変更で対応します。

するとまた別の問題が出現します。

これの繰り返しルーティーンとなります。

 

ここから抜け出すきっかけは発想の転換であったり、新しい知見であったり、頭を柔らかくしたときに突然降臨します。

そして良くできた物の殆どは「シンプル」であるという事実。

「シンプル」でよくできたものであればあるほど、思慮深く見るとそこに至るまでの道のりが実に複雑な物です。

目の前の答えを単に見れば簡単です。

しかし、それでは浅はかでつまらない。

 

そこに至るまでのアプローチや思考、工夫、発想の転換点、何故そうしたのか、を読み解いていく。

「う~ん・・・お見事!あっぱれ」と言うモノ造りが好きです。

そして、そういう視点で物を見るのが好きだ。

 

はい、話がそれております。

 

で、特に面構成型は部品点数が多い分重くなりますし、トラブルも増えてきます。

(画像はPanzerkampfwagen VIII 180トン越えの救いようのない戦車

 

機能・性能としてはかなり熟成されてきた80式ですが

いかに軽さの中に剛性を確保するか、捨てるべき部分を取捨選択したり

構造的にも合理化に対する様々なアプローチを試みております。

 

人類の歴史は科学技術の発展の歴史でもありますね。

↑画期的な狩り道具「アトラトル」

我々の祖先であるサピエンスの道具が小型複雑化して生き残り、逆にサピエンスよりも脳が大きく身体能力も上回っていたネアンデルタール人が絶滅したのを物語るように。

 

これに関して私は別の視点でも見解しております。

種の存続において小は大に勝り、弱は強に勝り、フロンティアが生き残りの核となる。長くなるのでこの一言で終えます。

 

(4万年前のユーラシアのお話です)

 

いわば人類の歴史はモノ造りの歴史

モノ造りの歴史は言い換えると軽量小型化の歴史とも言えます。

重くて大きなトランジスタしか作れなったら人類は月には行けませんでした。

何やら壮大なお話となりましたので、これにて失礼いたします。

 

追伸

NHKの下記のCGはかなり良くできており面白かった。

youtubeに飛べば見れます。

 

さてさて、古代にでも思いをはせて寝ると致しましょう。

kentarou in the woods.

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