私と山の出会い
誰も山頂に行かない山と
私と登山の出会い
13年ほど前の厳冬期、
初めての登山で私はこの山の山頂を目指しました。
1発目の登山が厳冬期の雪山3000m級で1泊2日の工程でした
初めてアイゼンを装着して初めてピッケルを持ち
初めて冬山のテント泊装備を担ぎ4合目から登りました。
当時の装備は単車ツーリングのあり合わせで
装備重量は30kgを超えました
上着は現役の航空自衛隊で着ていたG-1と言う革ジャンとツーリング用のカッパでした
テントは5kgもあるコールマンのツーリングst
完全に場違いです
山を舐めたら死にます
死ななかったのは先輩が居たからです
格好から入る。とはよく聞きますが
私は実行から入るタイプです
それは今も変わらない
やって見なきゃ分からない
そう育った
ある意味やらなきゃ分からんアホだ
この時の登山はあまりにもキツかった
ラッセルが永遠と続いた
体の力が無くなりバックパックが重くのし掛かり
四つ這いになっても登れないくらい追い込まれた。
四つん這いでピクピクしてる俺、
こんな屈辱を受けるなんて思っても見なかった。
登山がこんなにヤバイものとは知らなかった
ますます何のために登るのか疑問が大きくなる
先輩から無線が入った
もう時間切れだ下山しろ
山頂はすぐそこに見えてる
無視して登ろうとした
下山開始した先輩が私の無謀な行動に気付きまた呼び掛けた
そのまま行けば山頂に立てる
ただ、山頂に立つのと引き換えに死ぬぞ
山頂に立ったらお前は下山出来ない、早くおりろ
時間切れだ
私の初登山は山頂目前にして完敗した
目前で下山させた理由を後から聞いて余計に悔しく思った
筋力、体力、生きる知識、全てにおいて自分は弱いと思い知った
自分が住んでる星の環境適応性が著しく欠如している
地球で生きる知識と強さが欠如している
地球上の生物としてとんでもなく貧弱で弱過ぎると自分を卑下した
自衛隊で鍛えられて自信があっただけに余計ショックな事実であった
その悔しさから冬山怒涛の登山期が私に訪れた
私の中の第一次登山ブームの到来です
厳冬期の穂高連峰、槍から鷲羽、三俣蓮華、立山、剱と冬の北アルプスを先輩達とやった
見事に全ての山行がブリザードだった、一度もあの景色を見ていない
ただの真っ白なキツい世界
その時は登山が楽しいとは1度も思わず
訓練として弱い自分への戒めでやっていた
この訓練は最終的にキリマンジャロの山頂を極めてひと段落した
その後、YouTubeを初め、
ナイフでヲタりだすと言う黒歴史を経て
それはやはり退屈で収まり切らず
今は山の本来の楽しさに気付き
それが好きで登ってる
この山へは今回で3回目
一度も山頂を踏んでいない
今回も山頂へは立ちませんでした
この山は人気で登る人は多いです
しかし、だれも山頂に立つために登りません
山には必ず頂があり、そこを目指すのが登山ですが、皆んな立ちません
山頂目前で山頂を眺めるか
山頂に一礼して引き返します
家族の元に帰れますようにと。
特別な山
Kentarou in the woods.