グラベルロードをもっと気持ちよく

11万5千円のリアホイールを、なぜJAMISに組んだのか

HOPE Pro 5と20FIVEで作る、自分仕様のグラベルロード

正直に言います。

リアホイールだけで、11万5千円。

数字だけ見ると、まあまあ高いです。いや、普通に考えたらかなり高い。

「ホイールに11万円?」
「それで何が変わるの?」
「そもそも、そんなにお金をかける必要ある?」

たぶん、こう思う人が多いと思います。

私も注文ボタンを押すまでは、何度も考えました。

でも、今回欲しかったのは、ただ軽いホイールではありませんでした。

僕のJAMIS Renegadeを、通勤にも使えて、週末の100kmにも使えて、林道にも入れて、キャンプ道具を積んで走れて、そのうえで舗装路を気持ちよく走れる自転車にしたい。

つまり、カタログ上の最強ホイールではなく、自分が一番やることを一番気持ちよくするホイールです。

きっかけは「もっと気持ちよく走りたい」

これまでのRenegadeには、40Cのタイヤを履かせていました。

グラベルロードなら太いタイヤ。林道に行くなら40C。なんとなく、そう考えていたんです。

ところが、GravelKing SSの30Cを履いて走ってみると、舗装路での軽快さが思った以上に気持ちいい。

ペダルを踏んだときの反応が軽くて、速度の乗り方も自然。自転車が少し小さくなったような、余計なものが取れたような感覚がありました。

そこで、Renegadeの役割を少し見直しました。

荒れたダートを本気で走りたいときは、別にTransition Scoutがあります。

ならばRenegadeまでMTB寄りにする必要はない。

普段は30C。林道をしっかり走るときは35C。必要なら40Cも履ける。

この自転車は、30〜35Cを一番気持ちよく使える方向にしたい。

今回のホイール選びは、ここから始まりました。

一番気になっていたのは、リアハブの「かかり」

純正ホイールが駄目だったわけではありません。

40Cのタイヤで林道も走りましたし、キャンプ道具を積んで走っても大きな不満はありませんでした。

ただ、ずっと気になっていたのがリアハブの「かかり」です。

コーナーの出口や、登り返しで一度脚を止めたあと、もう一度踏み込む。

そのときに、踏んだ力がすぐ駆動に伝わらず、ほんの少し空走する感じがある。

「止める。戻す。踏む。……まだ掛からない。」

この、ほんの一瞬の間を減らしたかった。

速く走りたいというより、踏んだ瞬間にちゃんと前へ出てほしい。

そこで、まずハブから選びました。

HOPE Pro 5を選んだ理由

選んだのは、HOPE Pro 5。

108 POEで、最大遊び角は理論値で3.33度です。

ただし、108 POEだから必ず速くなる、という話ではありません。巡航速度が魔法のように上がるわけでもない。

効いてほしいのは、低速からの踏み直し、登り返し、コーナー出口です。

そこに、Pro 5のかかりの良さが効くのか。

そして、雨や泥の中でも使えるのか。長く使うための整備性はあるのか。補修できるのか。

僕が見たのは、数字だけではありませんでした。

最軽量だったからHOPEにしたわけではない。

「踏んだのに、まだ掛からない」を減らしながら、雨の日も林道も、これから先も使っていけるものを選びました。

なぜRX24ではなく、20FIVEなのか

HOPEには、RX24というグラベル向けのリムもあります。

内幅24mmで、太いタイヤを低圧で使うならRX24の方が向いている場面もあります。

でも、今回のRenegadeの中心は30〜35C。

そこで選んだのが、HOPE 20FIVEです。

20FIVEは内幅20mm、リム単体で425g。

今回軽くしたかったのは、ホイールの中心ではなく、一番外側にあるリムでした。

同じ70gでも、ハブの近くにある70gと、タイヤの近くにある70gでは意味が違う。

自転車を持ち上げたときの重量だけではなく、走り出しや加速、速度を変えるときの感覚に効いてほしい。

だから、ただ軽量化したのではなく、軽くする場所を選びました。

全部を軽くしたわけではない

ここが今回のホイールで、自分なりに一番大事にしたところです。

スポークはSapim Leaderの32本。ニップルは真鍮。

もっと軽いスポークを選ぶこともできました。実際、Sapim Raceも候補にしていました。

でも、キャンプ道具を積んで走る。林道にも入る。長く使う。出先で何かあったときに、できるだけ困らないようにする。

その使い方を考えると、スポークと本数まで軽さ優先にする必要はないと思いました。

外周のリムは軽くする。

一方で、32H、プレーンスポーク、真鍮ニップルは残す。

「外周は軽く、骨格は残す」です。

軽量化一辺倒ではなく、使い方に合わせて重量を配分したつもりです。

右側だけ違う、AS6という組み方

今回の見た目で一番変わっているのが、スポークの組み方です。

右側、つまり駆動側がAS6。

左側、ローター側は通常の6本組です。

左右でスポークの取り回しが違うので、見た目にも少しクセがあります。

この組み方を選んだ狙いは、駆動側の反応をしっかり出すこと。

ただし、AS6だから何ワット得をする、という公称データがあるわけではありません。

ここは理屈だけで勝手に勝利宣言するところではない。

実際に激坂を登り、脚を止めて踏み直し、グラベルを走って、自分に違いが分かるのかを確かめる。

ホイールを組んだ時点では、まだ仮説です。

実測してみると、170g軽くなった

同じGravelKing 30C、同じギア、ディスクローター込みで比較したところ、組み込み状態の重量は次のようになりました。

純正リア HOPEリア
組み込み状態 約2,160g 約1,990g
差 約170g軽量

ホイール単体では、HOPEリアはディスクローター込み・リムテープとカセットを除いた状態で1,140gでした。

ただし、今回の軽量化の主役は、数字の大きさだけではありません。

HOPE 20FIVEの425gというリム重量。そして、その軽さがホイールの一番外側にあること。

ここが、今回の狙いです。

持った瞬間に「めちゃくちゃ軽い!」と驚くような変化ではないかもしれない。

でも、踏み出し、加速、登り返しのように、速度が変わる瞬間に気持ちよくなってくれればいい。

11万5千円の答えは、これから出す

最終的な支払額は114,990円。

ホイール本体だけなら89,390円。バルブまで含めた比較では96,190円。そこにローターとロックリングが加わっています。

それでも、安い買い物ではありません。

だからこそ、「高いものを買ったから良いはず」とは考えたくない。

純正でも十分だった場面はあるはずです。

思ったほど変わらない部分もあるかもしれない。

逆に、「ここは確かに変わった」と感じる場面もあるかもしれない。

確認するのは、一定速度で淡々と走ったときではなく、発進、再加速、登り返し、コーナー出口、そしてグラベルです。

そこに、このホイールへお金をかけた意味があるのか。

これから実走で答え合わせをしていきます。

次はフロントホイールも、自分仕様にする

リアが完成したら、当然のように気になってくるものがあります。

そう、フロントです。

人間というのは困ったもので、一つ完成すると、もう片方が気になって仕方がない。

フロントはリアとは役割が違います。

リアでは、かかり、駆動反応、積載時の安心感を重視しました。

フロントでは、軽さ、転がり、ハンドリング、グリップ、そして必要なら空力まで考えたい。

ただし、何でも盛ればいいわけではありません。

僕のRenegadeが実際に走る速度域、舗装路と林道の割合、タイヤ幅、荷物の量。その使い方から、また一つずつ決めていくつもりです。

リアだけが完成しても、自転車はまだ完成ではない。

後ろで踏んだ力を受け止め、前で進む方向を決める。

前後のホイールが揃ったとき、Renegadeがどんな走りになるのか。

たぶん僕は、また数字を測って、また悩んで、また「これでいいのか」と言いながら注文ボタンを押すことになるでしょう。

でも、それも含めて自転車の楽しさです。

万能な自転車を作りたいわけではありません。

自分が一番やることを、一番気持ちよくする。

そのためのリアホイールは、ひとまず完成しました。

次は、フロントです。


仕様メモ

  • 車体:JAMIS Renegade SLTB 2021
  • リアハブ:HOPE Pro 5 Centerlock/32H/Blue
  • リム:HOPE 20FIVE/32H/内幅20mm/425g
  • スポーク:Sapim Leader #14/32本
  • ニップル:真鍮
  • 組み方:右AS6/左6本組
  • カセット:Shimano XT CS-M8000 11-42T
  • ローター:HOPE RX 160mm
  • リアタイヤ:GravelKing SS 30C
  • 最終支払額:114,990円

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